ある日突然に顔の片側が動かなくなり、顔が曲がります。
額のしわが寄せられなくなり、眼が閉じ難くなります。
また口から食べ物がもれ、頬を膨らませる事が出来なくなり、麻痺は現れてから1週間以内に悪化する事もあります。
また、耳の後ろや中の痛みを伴う事もよくあります。
顔面神経は涙の分泌、味覚、大きな音に対する反射にも関係しています。
麻痺と同じ側の涙の分泌低下、味覚の低下や物音が響く聴覚過敏になる事もあります。
何らかの原因によって側頭骨内の顔面神経に炎症・浮腫(むくみ)が生じ、顔面神経が側頭骨内で圧迫され血流障害を来し麻痺が起こると推定されています。
ベル麻痺の原因はいまだに不明ですが、最近の研究では、単純ヘルペスウイルス1型が麻痺の発症に関係している事が疑われていますが、単純ヘルペスウイルス1型は日本人の大部分が所持しているので原因かどうかは疑問です。
治療はまず原因を調べる事が重要で、原因が分かればその治療を行うとともに、麻痺に対する治療をなるべく早期に開始する事が必要とされています。
ベル麻痺やウイルス性の麻痺などの急性の顔面神経麻痺には、ステロイドと呼ばれるホルモン剤を早期に使用します。
後者では、ヘルペスウイルスの特効薬であるゾビラックスという抗ウイルス剤を併用します。
軽症の麻痺の場合は2週間から4週間程度で回復します。
最近は、重症の麻痺でもステロイドの大量'点滴でかなり高率に回復する事が分かって来ました。
但し、回復には時間がかかり、完治する率は100パーセントではありません。
2、3ヵ月を経過しても、全く回復の兆しのない麻痺では、顔面神経減荷術といわれる手術療法が行なわれる事があります。
顔面神経は硬い骨に囲まれて走行するので、炎症や循環障害により神経が腫れた場合、なかなかよくなり難いと考えられます。
このような状態を改善して、麻痺の回復を助けるために、耳の骨を削って、顔面神経を露出させ、腫れを消退しやすくする、というのが、この手術の内容です(手術は全身麻酔で行うので痛みはありませんが、2週間程の入院が必要です)。
自然形体療法では偏頭痛同様に顔の片側だけが麻痺する事から、カラダのある特定部分に原因があると考えて改善して行きます。
早い人では初回施術のその場で麻痺が改善する場合も少なくありません。